金庫の暗証番号がわからなくなったので開けてほしいとのご依頼を頂きました。
対象の金庫はクラウンの家庭用耐火金庫。
この手の金庫はほとんど固定変換ダイヤルの４枚羽といって、その名の通りダイヤル番号は設定された番号に固定されており任意での番号設定ができないもの、４枚羽(４枚座)とは羽が４枚あるので番号を４つ合わせないといけないというものです。たまに３枚羽(３枚座)もありますがこれは番号を3つ合わせればよいというものです。

お客様のご希望は「壊さずに開けてほしい」とのことだったので非破壊での解錠にチャレンジ。
今回は幸い鍵はあったのでダイヤルのみの解錠作業を行い、５分ほどで解錠に成功しました。
今回のようなダイヤル式の家庭用金庫は高い確率で非破壊解錠ができるのですが、たま～に苦戦してしまうことがあるので、鍵屋さんとしては何年やっても何回やっても解錠に成功すると密かにホッとしてます。(私だけ？)

ご依頼者様にも喜んで頂けたようで良かったです。
ご依頼誠に有難うございました。

そして、今日はせっかくなので家庭用金庫についてお話します。
家庭用金庫といっても様々ですが電子レンジくらいのあまり大きくないものが多いです。
仕様も今回のようなダイヤル式やテンキー式、マグネット式のものあり、さらにシリンダーが付いていないもの、付いていないものや、シリンダーのみのもの、と色々ですが共通しているのは特に防犯に特化しているわけではないという事です。
もちろん大事なものを机の引き出しやタンスにしまうよりは安全なのですが、ドロボーさんが本気を出せば難なくこじ開けられる、もしくはサイズによっては金庫ごと持ち出されてしまいます。
なので、現金や高価な宝石などの保管には向いていません。
ではどのような使い方が良いかというと、大事な紙の書類などを保管するのに最適なんです。
この手の金庫は「耐火金庫」なので一定の防火性能があり火災発生時に中にあるものが燃えるのを防いでくれます。
空き巣被害や火災などは滅多にあることではないですが、人生何が起こるかはわからないので万が一の備えとして正しく使うことをお勧めします。
　また、耐火性能が保持されるのは現在の金庫でも20年、耐火時間２時間というのが多く、購入から20年以上経過している金庫はすでに充分な耐火性能が発揮できない可能性があるので必要に応じて買い替えなどをご検討されても良いと思います。

　次に金庫に関すよくあるトラブルについてお話します。
私はこれまで数えきれないほどの金庫のトラブルに対応してきましたが、トラブルの発生原因は似たようなものが多いです。
　一番多いのは、「ダイヤルをガムテープなどで固定する」です。
扉を開けるのに都度ダイヤルを合わせるのは面倒なのでダイヤルは動かないようにして普段は鍵の操作のみで解錠するようにしている方が非常に多いです。（気持ちはすごくわかりますｗ）
でもこれには弱点があり、防犯性能が落ちるのもデメリットですが、実はテープで固定して動かないのは４枚羽のうち１枚だけです。
残りの３枚は動きにくくはなりますが固定されてない為、金庫を動かしたり振動を与えると羽が動いてしまうことがあります。
　そもそも年数とともにテープが劣化してはがれてしまうこともありますが、一番の問題はいざという時にダイヤルの番号がわからない、番号の合わせ方がわからないう状況です。
当然ですがそれさえわかっていればテープがはがれようがダイヤルが動こうが何の問題もないのです。
ダイヤルをテープで固定するにしても、いつでも通常の操作ができるように暗証番号、番号の合わせ方、鍵の管理は万全に行うようにしましょう。

　他には金庫の中にものをいっぱいに詰め込みすぎて起こるトラブルも良くあります。
どういうことかというと、ものをいっぱいに詰め込んで扉を無理に閉めると扉が外側(開く方向)に圧迫されます。
そうするとデットボルト(かんぬき)がストライク(かんぬきが収まる穴)に干渉して鍵が回らなくまります。
こういう場合はダイヤルを合わせたら扉を強く押し込んで鍵を回すと解錠できることがあるので心当たりのある方は試してみて下さい。

他にもまだまだ「あるある」のお話をしたいのですが長くなるのでまた次の機会にします。

金庫は正しく使うことでその性能を十分に発揮してくれます。
それでも、亡くなったご家族が遺した金庫で解錠が必要なケースや、会社の金庫で前任者から何の説明もなく引き継いでしまい開け方がわからないケース、そもそも金庫が壊れてしまったなど、どうしようもない場合はあると思います。
　Lixでは金庫の様々なトラブルに対応しております。
金庫のトラブルでお困りの方は是非ご相談ください。

カギのLIｘ
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